宮沢賢治

1896年8月27日岩手県稗貫郡花巻町に生まれた、詩人であり、作家であり、農業研究家。

父政次郎(22歳)、母イチ(19歳)の長男。戸籍上は宮澤賢治であり、8月1日生まれ。ちなみに、宮沢賢治が生まれたこの年に奥羽大地震・三陸大津波が発生している。

質屋を営む裕福な家に生まれたが、自身は貧しい生活をする、思えば仏陀のような人。また、敬虔な浄土真宗の家に生まれ育ったが、自身は18の時に『漢和対照妙法蓮華経』に深く感動し、国柱会に入信した。父との間で激しい宗教闘争が繰り広げられたらしいが、賢治の死後、父政次郎も法華経となる。賢治は『国訳妙法蓮華経』を千部印刷して配ってくれという遺志を残している。

驚異の言語感覚を持つ、まさしくセンスの塊のような日本屈指の作家。宮沢賢治は数々の童話作品を残したが、彼の物語が生と死、地獄と極楽を頻繁に行き来し、飛び交い、そしてそれらを心象風景というひとつの世界に置くために、童話という形式を取ったのではあるまいかと思う。まともな小説としては整合が取れない部分を難なくつなぎ、新たな死生観を生み出している。

なお、宮沢賢治は数多くの作品を残したが、生前に刊行したのは詩集『春と修羅』と童話集『注文の多い料理店』のみ。しかも自費出版。生涯の原稿料は、雑誌『愛国婦人』に童話『雪渡り』を発表した際に得た、わずか5円であった。

1933年、結核のため死去。37歳。親交の深かった草野新平が、宮沢賢治の逝去後に彼の作品を普及に努め、全国的に知られるようになる。宮沢賢治記念館が石巻市にある。

イーハトーブ

宮沢賢治が心象に夢見た理想郷。岩手県をモチーフにしているそうだ。

「イーハトヴとは一つの地名である。強て、その地点を求むるならば、大小クラウスたちの耕していた、野原や、少女アリスが辿った鏡の国と同じ世界の中、テパーンタール砂漠の遥かな北東、イヴン王国の遠い東と考えられる。実にこれは、著者の心象中に、この様な状景をもって実在したドリームランドとしての日本岩手県である。」

と、『イーハトヴ童話 注文の多い料理店』の宣伝チラシに書かれているらしい。宮沢賢治の童話は、このイーハトーブで展開されているのである。

妹トシ

宮沢賢治の最大の理解者であった二つ年下の妹。1922年11月27日、24歳で亡くなる。

トシもまた、兄宮沢賢治とともに国柱会に。才女であり、互いに悩みを共有し、互いに実家を離れてからも手紙のやり取りを行っている。

理解者である肉親ということを越え、もはや宮沢賢治にとっては自身が見た信仰の支えそのものであったかのようにさえ思える。

彼女の死から一年後に宮沢賢治は教え子の就職あっせんのため樺太へ旅行に出ており、そのさなかで多くの死を書き、さらにその翌年『無声慟哭』や『永訣の朝』が収録された詩集『春と修羅』を刊行している。

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