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『堕落論』の要約、あらすじ、感想とかとか。

投稿日:2016年8月13日 更新日:

『堕落論』は坂口安吾が著した評論文です。タイトルをご存じの方も多いでしょう。無頼派坂口安吾と言えば『堕落論』と暗記された方もいらっしゃるでしょう。ところが、読んだことない方もきっと多いはず。ということで『堕落論』を今回はご紹介します。なお、この評論文は終戦直後となる1946年4月1日に発表されたものであり、戦後という時代をいかにして日本人が生き抜いていくべきかということについてつづられた書になります。

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堕落論 あらすじ

あらすじと言っても小説でもないので、要約のようなものになるかと思います。『堕落論』は

半年のうちに世相は変わった。

こう始まります。

この半年で、若者は死んだ。生き残った者は闇屋となった。やがて、未亡人は新たな男に恋をするだろう。この半年の変化は、戦争が終わったから変わったのではないと坂口安吾は言います。これは、もともと人間はそういうものだと説いていきます。

日本人は武士道というものを編み出した。仇討ちは地の果てまで追わねばならない。二君に仕えてはならない。戦争中には生きて捕虜の恥を受けるなとも言われた。しかし、武士道は日本人のあるべき感情を書いたものではない。本来人間はそういうものではなく、得てして堕落しやすい。規約で縛られなければ、仇討ちはやがてあきらめ、二君に仕え、生き延びられるなら平気で捕虜になる。

政治とは、個々の思いを没入させた別個の巨大な生物を生み出すことである。その歴史のうねりの前に、日本人は従順である。従順にさせるその時々の管理、規約を生み出すのが、政治家の仕事なのだ。天皇さえもその一つである。

では、本来、人間とは何を求めているものなのか。求めるべきなのか。死であるのか。生であるのか。六十を過ぎた将軍たちが生き長らえ裁判に引きずり出されるのは希求した結果なのか。であれば、生というものの奇怪な力は恐ろしい。

坂口安吾は戦争中の空爆に遇っていました。その時、彼の心にあったのは、ただ生き延びたいというものでした。また、空爆後の東京での人々はどこかあっけらかんとしていた。十代の娘たちに至っては笑顔で日向ぼっこをしたりしていたのです。

敗戦後、日本の表情というものは沈んでしまったが、人間の美しさというのは堕ちた先にあるのではないか。戦争中の日本は確かに美しかった。夜には鍵もかけずに眠り、暮らし、疑いを持たずに生きた。だが、それは見世物の美しさである。

本物の感情は堕ちた先にある。今こそ正しく堕ち、堕ち切り、そこから自身を発見し、それを救済しなければならない。これまであった日本の救いは、武士道であり、戦争であり、天皇であった。どれも自分自身を戒めるがために生まれた他人の発想である。それらはしょせん、上っ面の愚にもつかない救いであった。

……といった内容になります。

堕落論 感想

生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。

人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。

何度かこのようなセリフが作中繰り返されます。人間とは堕落するものであり、堕落することでしか自分自身を救うことは出来ない、としています。そこには自身の真なる感情があります。夏目漱石の「自己本位」に相通ずるものがあります。

これは戦後に書かれたものですので、堕ちざるを得ない日本を徹底的に肯定するものとして書かれていると思います。もしかすると、戦争や天皇とは違うものの、まったく別の主義主張に日本がとらわれてしまうのではないかという恐れがあった時代なのかもしれませんね。

今これを中途半端に読んだり、タイトルだけ聞いてると、堕落して生きよう!と変なことを学んでしまいそうですが、そういうものとは当然違うわけです。押し込められていた個人の人間としての感情、思いとはどういうものなのかを掴みなさい、そういうお話なのですね。強烈な強い思想がここにはあるわけです。







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