志賀直哉

志賀直哉のおすすめ作品ランキング

投稿日:2019年12月21日 更新日:

小説の神様と名高い「白樺」派の作家、志賀直哉。芥川龍之介が晩年、『文芸的な、余りに文芸的な』の中で、志賀直哉の文章が最高だと評しております。物語の筋書きが素晴らしいというタイプというよりは(もちろん素晴らしいものもたくさんあります)、私小説のような、ありのままの人生をこう作家らしい視点で心情、考えを無駄を省いた簡潔な文章で、奥深く描いていく、そういう小説家で、神様なのです。

簡単な志賀直哉のプロフィール

そもそも志賀直哉という人は1883年(明治16年)2月20日年に生まれ、1971年(昭和46年)10月21日に亡くられました。88歳と大変長寿な方で、昭和生まれの私からすると、割と最近までご存命だったんだなと思えます。

この方、父親と仲が悪いことで結構有名なんですが、そもそもなぜに仲が悪いかと言いますと、足尾銅山の開発を巡って、父親と意見が食い違ったことに端を発します。足尾銅山と言うとあれですね、公害の鉱毒事件で知られるあの開発です。志賀は反対だったんですが、志賀直哉のおじいさんがもともと足尾銅山開発に関わっていたことで、双方、アホかお前はとなり、そこから不和が始まっています。そののち、さらに志賀直哉はおうちの女中さんと恋に落ちて結婚しようと思ったのですが、またお父さんにアホかお前はと言われて不和が決定的になってしまったのです。

志賀直哉には、そんなお父さんとの不和をベースにした作品が多いで、それくらいの最低知識があるとより読みやすくなると思います。さて、そんな彼が遺した作品の、極めて個人的な感想に基づくオススメ作品ランキングでも作ってみました。

5位『清兵衛と瓢箪』

1913年(大正2年)、志賀直哉30歳の時の作品。「読売新聞」紙上にて掲載された短編小説です。ヒョウタンが好きで好きでたまらなくてひたすらヒョウタンを収集する、ちょっと変わった少年清兵衛君と、しょうもないわけのわからないものを集めるなという、父親を中心とした価値のわからぬ大人たちとの不和の物語。父親と仲の悪かった志賀直哉ならではの作品です。

価値のわからぬ大人たちが新たな才能や本当に優れたものを見えにくくしているのだという批判的な視点もありつつ、抑圧された才能がまた違うところへと伸びていく、子供の強さ、したたかさを感じさせる爽やかな作品でもあります。

4位『小僧の神様

1920年(大正9年)、志賀直哉37歳の時の作品。お寿司が食べたくて食べたくてたまらない丁稚奉公仙吉さんが何だか哀れに思えて、全くたまたまそれを見聞きした貴族院議員であるAさんが寿司を食べさせてやるお話。それだけの話なのだが、Aさんの方が何だか妙におせっかいなような偽善めいたことをしたような気がして、何も告げずに姿を消したことと、二人の微妙な心理のすれ違いから、小僧はこれはまさしく神様のおかげでは?と考えるようになるという、アンジャッシュのコントのようなお話。”小説の神様”の元ネタというか、『小僧の神様』をもじって志賀直哉は小説の神様と呼ばれています。

3位『和解』

1917年(大正6年)、志賀直哉34歳の時の作品。雑誌『黒潮』誌上にて発表。和解、とは父と子が和解するまでのお話。短編の名手で会った志賀直哉にしては珍しい中編小説。半月ほどで原稿用紙150枚ほどの作品を書き上げた、志賀直哉曰く、実際に父親と和解したことの喜びからレコードペースで一気に書き上げた一作。志賀直哉自身を順吉という少年に置き換え、父との不和、そして娘の死を通じて和解に至るまでを描いた作品です。

2位『城の崎にて

1917年(大正6年)、志賀直哉34歳の時の作品。文芸誌「白樺」誌上で発表。おそらく誰もが国語の本で読んだことがあるはずの名作。電車にひかれて死にかけた志賀直哉が逗留中の温泉街城崎にて、蜂や鼠が死んでいく様を見かけてそれをつらつら書いた短いエッセイのような短編小説。それだけなのだが、文章の中に生と死、命にまつわる作家の視線が込められた、恐るべき観察眼と恐るべき文章力。これぞ文豪と仕事と思える短編小説。

1位『暗夜行路』

1921年(大正10年)から1937年(昭和12年)まで17年もの歳月をかけて書かれた超大作。短編ばかりの志賀直哉が唯一遺した長編小説。『和解』と違って一気に書き上げたどころか、断続的に発表された。父親との不和をテーマに書いていたが、途中で和解してしまったうえに『和解』を書いてしまったものだから、非常に難航した作品。主人公は時任謙作。4部作で書かれた作品で、志賀直哉の人生が書き写されたかのような一作で、志賀直哉の一位を選ぶとしたならば、まあ滋賀のすべてが込められたこの一作しかないでしょう。

以上、志賀直哉のオススメランキングでした。多くの作品が短編で文章も結構読みやすいので、いわゆる文豪作品を読み始めるにはおすすめできる作家さんです。

他の作家のおすすめ作品ランキングもちまちま書いてるので、そちらも読んでもらえると嬉しいです。







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